チラシの裏側
チラシは、今では新聞折り込みだけでなく、ポストに入ったり、街角で手渡されたり、あらゆる場所で、あらゆる手段で我々の手元にやってくる。
チラシそのものは、僕が子供の頃からあったものだし、チラシ自体が今だけのものではなく、歴史のあるものだが、それぞれの時代でチラシが持つ役割というものは様変わりしているようだ。
僕が子供の頃は、今と違って折り込みチラシが大量にあるわけではないし、オールカラーのチラシなどそんなに多くはなかった。
何より違うのは、裏面が白紙だったことだ。
物があまりない時代にあって、裏が白紙のチラシは、子供にとって格好の空想工房だった。落書きや見よう見真似で描く戦闘機や自動車の絵など、頭の中にあるさまざまな夢はチラシの上で躍動していた。
子供の僕は、紙と鉛筆があればどこにでも行くことができたたし、何でも作れた。
朝に父親が新聞と折り込みを分けて読み始める時は、真っ先にチラシをよりわけ白紙を探す。
母親もメモ用紙に使いたいから、そのうちのいくつかを奪っていくので、全部の白紙を持っていくと叱られたものだ。
今のチラシは殆どがカラーで、裏までビッシリ。とても落書きするスペースはない。
時代とともに変わる役割。それはチラシに限らず、生活に役立てるアイテムの宿命なのかも知れない。